
病院PPP/PFIコンサルティング・世界展開
PPP(Public-Private Partnership)は公共施設の整備等を行う公共事業において、資金調達から整備・運営までを民間企業に委託し、民間の創意工夫を活用しながら公共サービスの充足を目指す事業手法です。
病院で言えば、公立病院の整備に際して、一般的には発注者である公共機関が予算を用意して、設計会社やゼネコンに設計や工事を発注し建物を建てた後、自ら病院の経営運営を担いますが、PPPでは、民間の事業主体(SPC:Special Purpose Companyを組成することが一般的)がプロジェクトファイナンスで資金調達をし、設計施工で病院を建て、病院の経営運営の一部(主に医療行為以外の医療関連サービス)を継続することとなります。(注:事業により、官民の役割分担や責任範囲は異なります)
1990年代初頭からイギリスにおいてPPPによる公共事業が導入され始め、日本においてはPPPの代表的な手法の一つであるPFI:Private Finance Initiativeを規定するPFI法が1999年に公布以降活用されるようになりました。PFI手法を用いた病院整備は、これまで日本国内で17例(内閣府HPより)が実施されており、事業実施に必要なノウハウを積み重ねています。アイテックはこれまでに日本全国で複数の病院PFI事業の実現を支援しており、計画から実施、開院後の評価や経営アドバイスまでを一気通貫に経験しています。
このPPP(PFI)の手法は、十分な予算措置が困難な開発途上国においても、早期に必要な公共インフラを整備することが出来るため、PPP手法の導入は世界各国で検討・実施されています。そこで、JICA(国際協力機構)はPPP手法による開発途上国のインフラ整備に対して、日本が培ったノウハウを提供すべく、複数の国でPPPの導入に必要な技術支援を実施しています。
中でも病院PPPは、関係する主体が多いこと、医療行為という生命に直接かかわる事業であること、収益構造が複雑であること等から難易度が高い事業です。そのため、日本国内で複数の病院PFI事業をコンサルティングしてきたアイテックとして、有する専門的な知識と経験を開発途上国のインフラ整備に活かすべく、JICAが実施する調査や技術協力プロジェクトに参加してきました。具体的には、インドネシアやフィリピンにおけるPPP制度設計・実施能力強化のための技術協力プロジェクト、トルコにおける病院PPPに関する情報収集確認調査やPPPインフラ協力準備調査等です。他にも、国際会議におけるPPP手法の紹介(カザフスタン)や民間側のコンサルタントとして世界各国のニーズ調査や事業実施のためのFS(Feasibility Study)を支援しています。
病院PPPの導入には多くのチャレンジがありますが、必要なインフラ整備を官民連携の下効率的に実施できる手法であり、今後も世界各国で実現に向けた支援等に取り組んでいきます。
キーサクセスポイント
Key Success Point
日本における経験の蓄積
アイテックでは、国内で複数件の病院PFI事業を一気通貫に支援した経験があり、開院後の病院のモニタリングや評価も実施しています。そのため、発注段階で何をどのように検討し、決定していくべきかのノウハウが蓄積されており、適切なタイミングで必要な業務を支援することが可能です。
現地事情に合わせたPPP手法の提案
アイテックでは、日本で病院PFIの様々なパターン(発注方法、業務分担等)を経験しており、それに対象国の現地事情を十分に把握した上で、最適な方法を提案いたします。特に、民間側が無理なく参加できるような業務分担の設定には、対象国の法的な根拠や、医療関連サービス事業の発展度合いや競争性の確認が重要であり、対象国で実現可能な病院PPPの実現に向けた支援が可能です。